畳は大きく分けて3つの製品で構成されています。
畳の土台となる芯の部分です。昔は稲わらを縦横何層にも重ねて縫い合わせ圧縮した”ワラ床”が主流でしたが、現在は、木質チップを圧縮し固めた”インシュレーションボード”や、断熱材として住宅に広く使用されている”ポリスチレンフォーム”などを重ね合わせた”建材畳床(Ⅰ型 ・Ⅱ型 ・Ⅲ型 )”などが主流になっています。
畳の顔とも言われる表面 の”ござ”です。
い草を編み込んで敷物状にしたものです。現在、市場に流通している天然い草の畳表の20%ほどが日本で生産されている畳表の数量で、残りの80%は中国で生産されている輸入畳表になります。
日の畳表の産地は、熊本県をはじめ福岡・佐賀・岡山・広島などの南の地方で生産されていますが、最北では石川県小松市でも生産されています。
輸入品である中国の畳表の産地は、中国沿岸部の浙江省 寧波市(ニンポウと呼びます)で生産が多く行われていますが、内陸部四川省で生産される”四川表”は日本の生産方法に添い、国内産にも劣らない高品質な畳表として、広く使用されています。
また天然い草を使用しない畳表もあり、和紙を利用した”和紙 畳表 “(大建 工業 :ダイケン畳表 銀白 )や、樹 素材で出来た”樹脂 畳表 “(積水成型工業:セキスイ美草 )など、様々なカラーバリエーションで現代の住宅に広く利用されています。
畳の長手方向、両サイドの帯の部分です。畳縁には無地のものをはじめ、様々な模様があり畳を際立たせる脇役のような存在です。
現代の畳には、畳縁のない”縁無し畳”も多く生産されるようになったため影をひそめていますが、畳縁を利用した”バック”や”小物入れ”など、 丈夫で実用的だと人気があり、新たな利用もされはじめています。
畳の大きさは同じように見えますが、実は一枚一枚違います。
住宅の間取りに合わせて採寸をし、それに合わせて違う大きさの畳を製作していきます。(縦×横×厚さ)
また日本の地方により畳の規格も大きく4つに分類されています。
京間(きょうま)/本間 (ほんけん) | |
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大きさ | 6尺3寸 × 3尺1寸5分 |
主な地域 | 京都・関西地方など |
中京間(ちゅうきょうま)/三六間 (さぶろくま) | |
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大きさ | 6尺 × 3尺 |
主な地域 | 名古屋・中京地方など |
江戸間(えどま)/五八間 (ごはちま) | |
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大きさ | 6尺 × 3尺 |
主な地域 | 東京・関東地方など全国各地 |
団地間(だんちま) | |
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大きさ | 5尺6寸 × 2尺8寸 |
主な地域 | アパートやマンションなど |
裏返しとは、表面の畳表をはがしひっくり返してきれいな裏面を上にして再び使用することをいいます。
つまり畳はリバーシブルなんです。ただ年数の経過し、擦り切れの激しいものやシミが各所についているものなどは、裏面も劣化している場合があるので、裏返しが出来ないものもあります。一番安価な畳替えです。
表替えとは表面の畳表を新品の畳表に取り替える事をいいます。
畳表の種類も安価な物から本格志向の高級品まで幅広く選べます。
また天然い草以外の新素材の畳表(和紙素材・樹脂素材等)も各種取り揃えてありますので、お部屋のイメージに合った畳を予算に応じて施工が可能です。一番ポピュラーな畳替えです。
畳の凸凹が気になってきたら新畳の出番です。新畳とは、畳の土台(畳床)も含めて新品に作り直すことを言います。
現状敷き詰められている畳のスペースを再び採寸し、土台も含め新規に作り直します。
今までの古い畳は処分し新しい畳と入替を行います。
年数が経過して劣化が激しいものは新畳をお勧めします。
新しい畳を入れてから5年ほど経過したら一度”裏返し”をお勧めします。畳替えで一番安価で施工できます。
しかしながら、あまり年数の経過したものは裏返しが出来ない場合がありますのでご注意ください。
裏返しをした場合はさらに5年ほど経過したもの。
裏返しをしなかった畳は10年ほど経過したものは、表面の擦り切れも目立ってくる頃なので表替えをお勧めします。
年数が経過し凸凹が目立ってきたものは新畳に交換しましょう。
畳の裏地がワラむき出しのものや、畳の上を歩いた感じがブカブカしているものは新畳に入替え時期の証拠です。びしっとした新しい畳の上は気分も爽快です。
畳は濡れた雑巾は苦手です。
にじむような余計な水分は(畳に限らず何でも同じですが)カビの原因になってしまいます。
お手入れは、乾拭き+ほうきでの掃き出しが基本です。
乾拭きを続けると畳の表面に艶が出て、きれいに長持ちします。
また、週に一度は掃除機をかけましょう。
天然い草の場合、新しいい草は特に梅雨時期から夏の暑い時期にかけてカビが生える場合があります。
カビが生えてしまった場合、すぐに拭かずに掃除機でカビを吸い取ります。
ある程度畳の目に添って掃除機をかけた後、市販の消毒用アルコールで殺菌します。
その後、乾拭きをして下さい。畳替えをした湿気の多い時期はこまめに清掃をお勧めします。
家具を置いて畳に凹凸が出来た場合は、タオルとアイロンを使って下さい。
固く絞ったタオルを被せ、上からスチームアイロンをかけるだけで元に近い状態まで、復元することが出来ます。
生活していれば、いろんな物が畳の上でこぼれます。
こぼれた物によりますが、汚れの種類で手入れの可能な物もあります。参考にして下さい。
汚れの種類 | しみ抜き方法 |
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コーヒー 茶 ジュース 酒 しょうゆ ソース |
こぼしたらすぐに、タオルやペーパーで染み込まないうちに吸い取り、食塩や小麦粉をかけて下さい。 粉が湿ってきたら使用済みの歯ブラシ等で畳の目に沿ってこすり、その後に掃除機をかけます。 畳に色が染みている場合は、漂白剤を付けてこすって、すぐに固く絞った布で拭き取ります。 その後、水拭きと乾拭きを十分に行って下さい。 |
畳は天然い草の畳表のみ…と思っている方も多いのではないでしょうか。
現代では、天然い草に代わる新素材の畳表が多く使用されるようになりました。
天然い草と違い、加工された工業製品のため、様々なカラーバリーションでの製品化が可能になり、現代の和空間の新たな立役者となっています。
ご希望のカラーがございましたら、お気軽にご相談ください。
紙(和紙)をい草に見立て織機で製織した畳表です。
色あせが少なく防汚加工された素材は水分もはじき、カビの発生もほとんどない衛生的で長持ちする畳素材です。
メーカーサイトはこちら
耐久性に優れたポリプロピレンを主材料に製品化された畳表です。
いわゆるビニール素材で出来た畳表なので、和紙素材よりも水分には強く、お掃除もカンタン。
和紙畳同様、色あせも少なくカビやダニの繁殖も抑えられた衛生的な畳素材です。
メーカーサイトはこちら
琉球畳は普通の畳と違い、縁がなく通常の半分サイズで正方形の畳です。
敷き方も縦横交互にしきつめ、普通の畳に比べて目が細かいのが特徴です。
畳業界では本来、強度のある沖縄で生産された七島い草を使用して作られたへりなし畳を”琉球畳”と言いますが、近年、畳表の素材に関わらず半畳サイズのへりなし畳のことを琉球畳と呼ばれることが多くなりました。
畳縁の付いているものより空間が広く見えたり、”和”の素材にもかかわらず、”洋”の演出も可能な逸品として、現代の住宅で広く愛用されるようになりました。